『ケアと演技』 3都市ツアー!!

 

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実父の介護と死、そして「ケア」との出会い—
誰かに“見せる”演劇から、誰かと“共にいる”上演へ。
2025年秋、俳優・竹中香子の意欲作、ついに国内ツアー開幕!

 

パーキンソン病を患っていた実父の生活に10余年寄り添った在宅介護チームの「ケアの技術」に感銘を受けたアーティストの竹中香子は、父の死と「ケア」に改めて向き合うため、埼玉県東松山市の高齢者福祉施設にアーティストが一定期間滞在するプロジェクト「クロスプレイ東松山」に参加する。そこで利用者と介護者と共に過ごす時間の中で、演技とケアの重なりを見出していく。誰かをケアするとき/演じるとき、自分と異なる相手とどのように関わり、想像することができるのか?

2024年東京での初演から、創作の原点であるデイサービス楽らくでの公演(25年4月)を経て深化を続けてきた本作が、大阪・上田・横浜へ。さらに新たな試みとして、ケアの実践者との対話の場「ラーニングルーム」を併せて開催し、舞台上に留まらない複数の声が交差する場を各地でつくる。竹中と盟友・太田信吾の身体と演技、音楽家の島崎智子と服部将典によるピアノとコントラバスの演奏と共に、決して分かりえない他者とそれでも関わり合おうとする—「ケア」を巡る旅にどうぞお立会い!
 

 

企画者より

作品を“見せる”のではなく、人が集まり、時間をともにする「場」としての芸術を立ち上げたい!
ふらりと立ち寄れて、何かが起きていなくても人の気配があって、「ひとりで家にいたくない」「涼みたい」という理由だけでいてもいいところ。
そんな「公民館」みたいな場所を各地で目指す『ケアと演技』の3都市ツアーでは、ケアと出会い直すための「ラーニングルーム」を開催します。いま話しを聞いてみたい方々にお願いし、上演を観る・観ないにかかわらず、誰もがふらっと立ち寄れる、ひらかれた勉強会です。
分断や暴力が日常化する時代において、人が集まるという現象そのものが意味を持つような上演でありたいと考えています。(竹中香子)

 

日程 

<プレイベント>
ラーニングルーム⓪「肩書きの外で出会う—唐川恵美子(ほっちのロッヂ 文化企画担当)×竹中香子」
8月27日(水)19:30-21:00
「診療所と大きな台所のあるところ ほっちのロッヂ」で展開されるアーティスト滞在制作企画「交換留藝」は、表現活動を通じて、年齢や状態、肩書きや所属といった枠組みをずらし"個"として出会う場を共にする実践です。竹中がデイサービスでのアーティスト・イン・レジデンス「クロスプレイ東松山」でも葛藤した「肩書きの外でしか生まれない関係」とまなざしについて、それぞれの立場からひもといていきます。

オンライン開催

 

<大阪公演>
9月18日(木)19:00
9月19日(金)13:00

ラーニングルーム① 
「演技のケア的側面—倉垣弘志(『薬物売人』著者)×太田信吾」
9月18日(木)20:30-21:30 
映画『解放区』(太田信吾監督)で、元薬物売人として自らの過去を“演じ直す”という手法に取り組んだ倉垣弘志さん。当事者として、表現者として、それぞれの立場で「演技」と向き合ってきた二人が、“演じることはケアになりうるのか?”を手がかりに、西成で語り合います。

会場:西成永信防災会館(大阪府大阪市西成区山王3丁目10−20)

https://www.plus1-nishinari.net/

 

<上田公演>
9月26日(金)19:00
9月27日(土)11:00/16:00

ラーニングルーム②「福祉とアート、“いい感じ”だけじゃない話—武田奈都子(デイサービス楽らく施設長)×武捨和貴(NPO法人リベルテ代表)×竹中香子」
9月27日(土)17:30-19:30 
アートと福祉が混ざるとき、そこには喜びや驚きだけでなく、違和感や葛藤も生まれます。しかし、その揺れのなかにこそ、続ける理由があるのかもしれません。福祉の現場にアーティストを迎えている実践者とともに、ケアと表現が交わるときに起きていることを率直に話し合います。

会場:犀の角(長野県上田市中央2-11-20)
http://sainotsuno.org/access/

 

<横浜公演>
10月2日(木)14:00/19:00
10月3日(金)14:00/19:00

ラーニングルーム③「物語を処方する—小川公代(《シリーズ ケアをひらく》新刊『ゆっくり歩く』著者)×竹中香子」
10月3日(金)16:00-17:30
英文学者・小川公代さんの『ケアの倫理とエンパワメント』は、竹中の『ケアと演技』の創作を支えた思考のパートナーでした。今秋、パーキンソン病のお母様との介護記録を綴った新著『ゆっくり歩く』を刊行される小川さんを招きお話を伺います。物語はケアの現場でどのように機能するのか?新刊に込められた思いを手がかりに、「物語」と「ケア」の重なりについて見つめ直します。

会場:スタジオHIKARI(神奈川県横浜市西区紅葉ヶ丘9番地の1)
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ch3/access.html

 

◆パフォーマンスについて

開場・受付開始:開演の20分前 
上演時間:約70分

このパフォーマンスでは、皆様にリラックスした環境で鑑賞いただけるよう、下記の内容を実施いたします。そのほかにも、事前に知らせておきたいことや気になることがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
・受付等で筆談対応可
・上演中の会場からの出入り自由
・会場内の照明は、完全に暗くはなりません。
・突然大きな音が出る場面はありません。
・介助者(付添人)の方1名はチケット料金無料(*)
・きこえない・きこえにくい方のための上演台本貸出(*)
・外に出やすい席、車椅子での鑑賞スペースあり(*)

(*)チケットを購入後、予約した公演日の1週間前までに下記問い合わせ先宛にご連絡ください。ただし、定員に達し次第受付を終了しますので、予めご了承ください。

 

チケット・取り扱い

パフォーマンス|
一般:3,000円/学割:2,500円おすそわけチケット:3,000円

*全席自由席
*鑑賞は10歳以上推奨
*学割チケットをご予約の方は、公演当日に学生証をご提示ください。
*当日券は残券がある場合のみ販売予定。詳細はハイドロブラストSNSをご確認ください。

取り扱い:Peatix
大阪公演 https://ca-3-osaka.peatix.com
上田公演 https://ca-3-ueda.peatix.com
横浜公演 https://ca-3-yokohama.peatix.com

 

◆「おすそわけチケット」のご案内
今回のツアーでは、各地域のコミュニティや団体と連携し、公演チケットの購入が困難な方にチケットをおすそわけできるしくみを設けました。販売期限までに購入いただいた枚数の「おすそわけチケット」を、作りすぎたご飯をご近所さんに分けるように、様々な障害や経済的な事情等の社会的困難を抱える方にお届けします。

【大阪】
連携先:『路地裏の舞台にようこそ 2025』事務局
届け先:「EARTH」利用者、他

販売期限:9月14日(日)23:59

【上田】
連携先:うえだ子どもシネマクラブ特定非営利活動法人リベルテやどかりハウス
届け先:うえだ子どもシネマクラブメンバー、リベルテメンバー、やどかりハウス利用者

販売期限:9月21日(日)23:59

【横浜】
連携先:ことぶき「てがみ」プロジェクト実行委員会OUTBACKプロジェクト
届け先:ことぶき「てがみ」プロジェクトメンバー、OUTBACKプロジェクトメンバー
販売期限:9月28日(日)23:59


ラーニングルーム|
参加料:無料
会場:⓪オンライン、①西成永信防災会館、②犀の角、③スタジオHIKARI

*定員あり・事前予約推奨
*公演チケットは別途予約(Peatix)が必要です。

取り扱い:Googleフォーム
https://forms.gle/MXSnA9HjRUzW8EXe6

 


お問い合わせ

ticket.hydroblast@gmail.comハイドロブラスト

 

プロフィール

ハイドロブラスト
太田信吾(映画監督・俳優)と竹中香子(プロデューサー・俳優)による、映画と演劇作品を手掛ける団体。企画ごとに役割を規定し、複眼的な作品創作を目指す。代表作に、舞台『最後の芸者たち リクリエーション版』(パリ日本文化会館)、『サテライト・コール・シアター』(BUG)、映画『沼影市民プール』は、ニュージーランドのアカデミー賞公認ドキュメンタリー映画祭Doc Edgeにて世界初演、2026年度全国公開を控える。https://hydroblast.asia/

「クロスプレイ東松山」 ハイドロブラスト『ケアと演技』  ©加藤甫

 

ラーニングルーム登壇者

小川公代(おがわ・きみよ)
上智大学教授。ロマン主義文学、医学史を専攻。さまざまな文学作品を読むことから「ケアの倫理」について考察した『ケアの倫理とエンパワメント』(講談社)を2021年に発表。ほかの著作に『ケアする惑星』『翔ぶ女たち』(いずれも講談社)、『世界文学でケアを読み解く』(朝日新聞出版)、『ゴシックと身体 想像力と解放の英文学』(松柏社)、『ケアの物語 フランケンシュタインからはじめる』(岩波書店)、翻訳書にシャーロット・ゴードン『メアリー・シェリー 『フランケンシュタイン』から〈共感の共同体〉へ』(白水社)、シャーロット・ジョーンズ『エアスイミング』(幻戯書房)などがある。2025年10月には、NHK100分de名著『ドラキュラ』の指南役として出演予定。

小川公代(撮影:嶋田礼奈).jpg 撮影:嶋田礼奈

 

唐川恵美子(からかわ・えみこ)
長野県軽井沢町にある「診療所と大きな台所のあるところ ほっちのロッヂ」文化環境設計士。栃木県生まれ、福井県育ち。東京外国語大学ドイツ語学科および同大学院修士課程を修了後、都内の劇場にて事業企画運営に携わる。その後福井へUターンし、地域おこし協力隊を経て地元のコンサートホールに勤務。音響や企画、広報を担うかたわら、2017年より古民家で音楽を軸にしたコミュニティ活動「アーティスト・イン・ばあちゃんち」を立ち上げ運営する。2020年、長野県軽井沢町にオープンした「診療所と大きな台所のあるところ ほっちのロッヂ」へ参画し、医療福祉ケアを担うスタッフやアーティストともに作品制作、地域活動を展開している。

唐川恵美子©︎清水朝子.jpg ©︎清水朝子

 

倉垣弘志(くらがき・こうじ)
1971年大阪府に生まれる。中学校入学後から街の不良となり、何度も警察に補導される。工業高校に入学すると、週末はバイクでの集団暴走を繰り返す。田代まさし氏への覚醒剤譲渡で2010年に逮捕され、懲役三年の実刑判決を受けた。当時の経験を綴ったノンフィクション『薬物売人』を幻冬舎から出版し大ヒット。現在は薬物やアルコールから完全に離れ、バス運転手として医療的ケア児を含む3児の父として家族を支える。西表島を経て、現在、大阪在住。
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武田奈都子(たけだ・なつこ)
デイサービス楽らく施設長。社会福祉士。(医)保順会常務理事。玉川大学芸術学部、英国ラバンセンターにて舞踊を学ぶ。大学卒業後、パフォーマンスシアター水と油制作、フリーランスのアートマネージャー、フェスティバル/トーキョー実行委員会事務局を経て、2012年(医)保順会の理事就任。‘22年よりデイサービス楽らく施設長に就任し、「クロスプレイ東松山」を通して、福祉とアートが交わる場の創出・実践に取り組んでいる。
武田奈都子©︎加藤甫.jpg ©︎加藤甫

 

武捨和貴(むしゃ・かずたか)
1982年長野県生まれ。重度の知的障害のある人の表現活動の環境づくりを経て2013年にNPO法人リベルテを設立。上田市街で福祉施設「スタジオライト」「1の人100の言葉1000の時間」「路地」をそれぞれ歩ける距離の中で運営。文化事業「路地の開き」では公園づくりやパレード、街歩き、避難訓練をテーマにアートプロジェクトとして実施。2025年度は路地の開きでは「登らない登山、移動する」、また新たに生涯学習事業に取り組み、テーマに祭りと防災を組み合わせた企画を進行中。妻と子、猫の4人と1匹と暮らし。
武捨和貴(撮影:馮馳).jpg 撮影:馮馳

 

 

クレジット

作・演出:竹中香子
出演:太田信吾、竹中香子
音楽:島崎智子、服部将典
舞台美術(神奈川公演):中村友美
脚本編集協力:萩原雄太(かもめマシーン)、太田信吾
協力:宮崎晋太朗、大崎晃伸
制作:佐藤瞳
プロデュース相談:武田知也(bench)

宣伝デザイン:内田美由紀(NORA DESIGN)

企画制作:一般社団法人ハイドロブラスト
制作協力:一般社団法人ベンチ
後援:株式会社デューズ 

大阪公演|主催:一般社団法人ハイドロブラスト 『路地裏の舞台にようこそ 2025』連携企画
上田公演|主催:一般社団法人ハイドロブラスト 協力:一般社団法人シアター&アーツうえだ
横浜公演|主催:神奈川県、一般社団法人ハイドロブラスト マグカルシアター参加公演

 

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路地裏の演劇祭.png 犀の角ロゴ.png ロゴ(県民文化祭).png HIKARI_logo.png

 

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