2023年度、ハイドロブラストプロデューサー竹中香子が、公募アーティストとして参加した「クロスプレイ東松山」に、2025年度は、アソシエイトアーティストとして関わらせていただきます。
「クロスプレイ東松山」は、高齢者福祉施設に年間を通じて様々なアーティストが滞在し、施設を拠点にした作品制作等の活動を通して、利用者や職員と文化的な交流をはかるプロジェクトです。
2024-2025プログラムでは、竹中香子が滞在の経験を踏まえて創作された演劇作品『ケアと演技』(2024年5月初演)を、職員向けにデイサービス楽らくで上演。鑑賞後にはアーティストと職員の対話の時間をつくります。
また、一般観客向けにも公演を開催し、「クロスプレイ東松山」の取り組みを広く共有する機会とします。
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アーティストコメント:
みなさん、こんにちは。ハイドロブラストプロデューサー、竹中香子です。私はフランスの公共劇場を中心に俳優として数多くの作品に関わってきましたが、ある時、フランスの客席は圧倒的に白人層で埋め尽くされていることに気づきました。そこで、自分から動かなければ出会えない観客層がいることを痛感し、現在は、劇場にきてもらうのではなく、自分から「出向く」ということを大切にアートプロジェクトの企画を行なっています。昨年度公募アーティストとして参加した『クロスプレイ東松山』は、まさに自分から「出向く」ことでしか出会えない経験でした。介護士さんや利用者さんと過ごした時間は、私たちは同じものをみて違うことを感じている、という至極当たり前のことへの戸惑いと葛藤の連続でした。何に価値を感じ、何に希少性を感じるのか、の背景に潜む断絶ときちんと向き合い、「違う」ことを恐れるのではなく、歓迎できるようになりたい。クロスプレイ滞在を経て創作された『ケアと演技』という作品を通して、自己表現のためでなく、他者を想像するためのツールとして、演技という行為がもたらす他者との優しいつながりのかたちを模索します。
【公募プログラム滞在時記事】
『ケアと演技』舞台写真 (撮影:加藤甫)