News

【快挙!】第30回釜山国際映画祭に映画『沼影市民プール』正式出品決定!

この度、9月17日~9月26日に韓国・釜山で開催される第30回釜山国際映画祭の《Wide Angle: Documentary Showcase部門》にて私たちの制作した太田信吾監督作品『沼影市民プール』が正式出品されることとなりました。

 

釜山国際映画祭は、韓国・釜山市で毎年秋に開かれるアジア最大級の国際映画祭。1996年の創設以来、アジア映画の発展と新しい才能の発掘を目的に、国内外から多数の作品が上映されてきました。昨年は約14万人の観客を動員し、世界中の映画人や観客から熱い注目を集めています。


<"Wide Angle: Documentary Showcase部門"について
「Wide Angle: Documentary Showcase部門」は、国際的な視点で社会や文化を切り取った意欲的なドキュメンタリー作品が集う部門です。時代性や独自の表現が重視され、世界各国のドキュメンタリー制作者が集う、映画祭の中でも重要な位置を占めるプログラムとして知られています。

今回上映される『沼影市民プール』は、さいたま市に半世紀以上愛され続けてきた市民プールが都市開発により解体されていく過程を記録した作品です。子どもたちにとっての夏の遊び場、高齢者にとっての健康増進の場、そして公共プールでありながらイの男性たちにとっての国内最大級のハッテン場としても機能するなど、多様な人々の出会いの場でもあったプール。その喪失を通して、「公共空間の記憶」や「死の受容」といった普遍的なテーマを見つめ直します。




コメント
太田信吾監督・撮影・編集

世界に開かれた釜山の地で、『沼影市民プール』が国際的な観客の皆さんと出会えることを大変嬉しく思います。市開発のもとで失われていく公共プールの記憶を共有しながら、共空間の喪失に伴い求められる心のケアについて、みなさまと共に考える場になればと願っていますこの映画の制作を支えてくださりました、さいたま市、さいたま国際芸術祭2023のご関係者の皆様をはじめ、すべての出演者・支援者・関係者の皆様に、こころより感謝を申し上げます。特にセンシティブなプールという場での長期間に及ぶ撮影におきましては、プールを管轄するさいたま市の都市公園課、南部公園整備、そして管理・運営を担われていた株式会社ケント・コーポレーションさんのお力なしには実現しませんでした。本当にありがとうございました。日本での劇場公開は少し先になりますが、ぜひ皆様と映画館でお会いできますことを楽しみにしております。

 

竹中香子プロデューサー

世界中にはたくさんの映画製作会社があり、わたしたちの10,000倍以上の社員を抱えている会社も多く存在すると思います。そんな中で、わたしと太田さんの2人だけの会社:ハイドロブラスト製作の超超超インディペンデント映画が、「釜山映画祭」というアジア最大級の国際映画祭までたどり着いたということは、奇跡に近いことだと思います。海外映画祭に正式出品していただくためには、作品のクオリティーだけでは突破できないいくつもの壁があることを今回の初長編プロデュースで学び、何度も悔しい思いをしました。それでも、このような結果が出せたことは、単に太田さんの映画の強度であり、太田さんが作りたかった世界を最後まで突き通した結果だと思います。最先端でありながらも、市民の方々の想いが詰まった本作は、太田監督の新境地への幕開けになることと思います。

 

 





上映と今後の展開
現地では会期中に複数回の上映が予定されており、監督・スタッフ・キャストの登壇やQ&Aセッションも実施される予定です。ぜひこの機会にご来場いただき、作品に込められた思いを直接お受け取りください。また、すでに他国の国際映画祭からも招待をいただいており、順次情報を解禁してまいります。日本での公開は来年を予定しております。

記念すべき30回目を迎える釜山映画祭において、『沼影市民プール』はWide Angle部門を通じて多様な国際観客に届けられます。公共空間と人々の記憶をめぐる物語が、国境を越えてどのような共感を呼び起こすのか――どうぞご期待ください。



トップへ戻る